粉瘤

粉瘤とは

粉瘤とは粉瘤は皮膚腫瘍としてはもっとも多く見られるものです。俗に「脂肪の塊」といわれますが、実際には皮膚が毛穴の奥で米粒大の小さな袋を形成し、そこに角質や皮脂などの老廃物が溜まって徐々に大きくなった良性腫瘍です。強く圧迫すると開口部からドロドロした臭い内容物が出てくることがあります。

粉瘤ができる詳しい原因はわかっていませんが、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染や、打撲跡などの外傷が元で生じることがあります。にきび跡にできることもあります。皮膚の上皮成分が皮膚の下に落ち込んで袋状の病変を形成し、その中に老廃物が粥状になって溜まります。

※粉瘤は医師の判断により処置をするかどうかを決めます。

 内服治療の場合もあります。

 診察当日に除去をすることはありません。

 除去術は診察とは別日になります(要予約)。

粉瘤のできやすい箇所

粉瘤のできやすい箇所背中やうなじ、頬や耳たぶ、耳の周り、鼠径部などに多く見られますが、毛穴がある所であればどこにでも生じる可能性はあります。
大きくならずに自然に消えてしまうこともありますが、時に野球のボール大にまで大きくなったり、細菌感染を起こして赤く腫れて痛んだりすることもあります(炎症性粉瘤)。粉瘤は次第に大きくなる傾向があり、炎症を起こし、まれに悪性化することもあります。

粉瘤の治療法

粉瘤は手術で嚢胞(粉瘤の袋)ごと完全に除去しないと再発します。炎症がない粉瘤の場合には外来手術(診察とは別日)で除去します。軽度の炎症がある場合には、抗生剤や抗炎症剤で鎮静化させてから粉瘤を除去しますが、炎症がひどい場合には一度切開して排膿した後で、期間をおいて嚢胞を除去するケースもあります。
一般的な治療法は次の2つです。

小切開摘出術

小切開摘出術腫瘍ができている部分をペンなどでマーキングします。その後、局所麻酔を行います。皮膚を小さく切開してピンセットなどで嚢胞(粉瘤の袋)を摘まんで取り出します。摘出が終わったら縫合して完了です。手術時間は15〜30分です。1週間後に抜糸します。

手術後の痛みについて

手術後には傷口が痛むことがあります。ほとんどのケースで翌日には痛みは引いてきます。痛みが長引く場合には、手術後に処方した痛み止めを服用してください。

通院について

通常の粉瘤であれば、抜糸まで来院いただく必要はありません。抜糸してとくに問題がなければ治療は終了です。
ただ、粉瘤が大きかった場合には経過観察が必要となることもあります。また炎症が強く出ていた粉瘤の摘出では、翌日以降も来院いただくこともあります。